Ponsse社は、Visual Components Robotics OLPを活用して林業機械のイノベーションを促進し、生産性を向上させる
林業機械製造の世界的リーダーであるPonsse社は、Visual Components Robotics OLPを活用して、生産プロセスを変革しました。
![](https://www.visualcomponents.com/wordpress/wp-content/uploads/2024/01/PonsseCaseStudyHero.png)
顧客目線で林業機械製造を切り開く
林業機械業界の世界的な先駆者であるフィンランドのPonsse社は、世界最高レベルの林業機械を製造するという使命を掲げて1970年に設立されました。ヴィエレマに40,000m²の工場があり、環境に優しい短幹集材用林業機械の販売、サービス、製造、技術開発を専門としています。1,800人以上の従業員を抱え、40か国で事業を展開し、さまざまなハーベスター、フォワーダー、その他の機械を製造しています。
Ponsse社は、イノベーションを1つのコアバリューとしています。持続可能な林業を促進するために、カスタマーサクセスに向けた製品、サービス、プロセスの継続的な改善に取り組んでいます。この取り組みにより、最新の林業機械が開発され、顧客満足度を高めることができています。顧客の需要を満たすため、同社は年間約1,000台の機械を製造し、年間1つのロボットステーションを新たに稼働させています。
![A Ponsse forestry machine at work in the woods](https://www.visualcomponents.com/wordpress/wp-content/uploads/2024/06/casestudy_ponsse.jpg)
ロボット溶接とオフラインティーチングによって生産性を向上させる
難しい生産環境では、生産性を向上させるために溶接の自動化が不可欠です。Ponsse社は、生産開発において常に溶接プロセスの改善を優先してきました。同社は15年以上前にロボット溶接を導入しました。Production Development ManagerであるHeikki Selkälä氏によると、同社では、特に溶接に重点を置いて、できるだけ多くのプロセスを自動化する広範な取り組みを行っており、その一環としてすべての基本的な溶接をロボット化する目標を持っています。
Ponsse社がロボット溶接を業務に導入した際、ロボットティーチングの複雑さと時間のかかる作業が課題となりました。ティーチングはティーチペンダントを使用してオンラインで行われ、ティーチングが完了するまでロボットを2週間停止しなければなりませんでした。この停止期間は製造プロセスの遅延につながるリスクがあり、コスト面で大きな影響がありました。
これらの課題に対処し、ロボットティーチングの時間を大幅に短縮するために、Ponsse社はオフラインティーチングの専門知識を持つパートナーを必要としていました。Ponsse社の場合、Delfoi Robotics(現在のVisual Components Robotics OLP)のオフラインティーチングの専門知識と強力なVisual Componentsのプラットフォームを組み合わせることが解決策となりました。
当社では、設備の80%がロボットで溶接されています。これらのロボットのオフラインティーチングにおいて、当社のパートナーは初期段階からVisual Componentsです。私たちの成長を支える基盤となっているのは、Visual Componentsのソフトウェアが当社のニーズに応じて継続的に進化してきたことです。同社のプロセスに関する専門知識は大幅に向上しており、その柔軟で迅速な対応には常に信頼を寄せています。
Ponsse社、Production Development Manager、Heikki Selkälä氏
Ponsse社は、製造プロセスに対して高い基準を設定しており、顧客中心の長期的な取り組みと信頼性をパートナーにも期待しています。Visual Components Robotics OLP(旧Delfoi Robotics)は、15年以上にわたって、これらの要件を満たしたサービスを提供してきました。
自動化の活用を増やし、継続的な生産を強化する
Ponsse社の複雑で要求の厳しい生産プロセスにおいても、Visual Components Robotics OLPを使用することで、1日以内にティーチングを完了できます。プログラムは株式会社安川電機製ロボットで実行され、曲線的な溶接やフレーム構造内の溶接を含む、林業機械フレームの溶接が行われます。
オフラインティーチングのメリットを、日々実感しています。主要なメリットは、ロボットティーチングを生産システムの外で行えるため、生産を停止することなく、より迅速かつ簡単に作業を進めることができる点です。以前は、月曜日に生産を再開する前の週末に、必要な調整を行う必要がありました。ティーチングに10日間かかっていましたが、今では1日で完了できるようになりました。
Ponsse社、Head of Robotics Team、Asko Haataja氏
![A Ponsse forestry machine at work in the woods](https://www.visualcomponents.com/wordpress/wp-content/uploads/2024/06/casestudy_ponsse-1-1024x576.jpg)
溶接作業の効率化で、生産性を最大化
Ponsse社は、オフラインティーチングに加えて、ロボットティーチングとシミュレーションソフトウェアを使用して溶接設計の実現可能性、溶接可能性、および到達性を評価しています。製品開発と並行して溶接設計をテストすることで、溶接プロセスの効率を高め、到達が難しい場所でも動作できるようにしています。これにより、手動で溶接が必要な箇所を大幅に削減し、ロボット溶接の利用率を最大限高めることができています。
ロボットオフラインティーチングでは、溶接部品の「隠れた部分」が作業者に見えず、手動で溶接しなければならない場合があります。しかし、オフラインティーチングでは、作業者がCADモデル内で製品を確認できるため、内部の隠れた部分をロボットで溶接することができます。これにより、自動化の割合が大幅に増加し、手動で溶接が必要な箇所が大幅に減少するため、生産のリードタイム全体が短縮されます
Visual Components Robotics OLPのカスタマイズ性と機能は、当社のニーズに非常に適しています。視覚化できるプラットフォームは実用的です。コードを使用することで、通常は手動操作が必要な作業をロボットで実行できます。多軸ポータルを使用して溶接する必要がある場合、通常のソフトウェアでは対応できません。特にこうした点において、Visual Componentsの柔軟性と迅速な対応は、とても役立っています。
Ponsse社、Production Development Manager、Heikki Selkälä氏
Ponsse社は、Visual Components Robotics OLPを、新製品の導入時だけでなく、既存プログラムの改善にも活用し、継続的な発展を追求しています。
ロボットステーションの設計と、複数ブランドのロボットのキャリブレーションを効率化する
Ponsse社では、新しいロボットセルを計画する際に、ロボットのコンセプト設計から実際に稼働するロボットプログラムに至るまで、Visual Componentsを活用しています。新しいロボットレイアウトの設計は反復的なプロセスであり、このプロセスにおいてVisual Componentsをレイアウト設計ツールとして使用しています。このツールは、特定のロボット構成やロボットセルで製造される製品に向けて最適なレイアウトを定義するのに役立ちます。オールインワンのVisual Components Robotics OLPは、汎用的で、あらゆるロボットブランドと互換性があるため、Ponsse社がさまざまな製造業者の産業用ロボットを使用する際に役立っています。
新しいロボット溶接ステーションの設計が始まると、ソフトウェアでステーションのデジタルレプリカをモデリングし、部品の溶接可能性をテストします。投資が決定された後、Visual Componentsに連絡を取り、計画の完成に向けて進めていきます。
Ponsse社、Head of Robotics Team、Asko Haataja氏
Visual Components Robotics OLPの高度なシミュレーション機能により、ロボットプログラムを生産に投入する前に正確に検証することができます。ロボットステーションを新しく実装する際の最終段階であるコミッショニングでは、迅速に生産を開始するために、設計されたロボットセルのキャリブレーションを行い、プログラムが正確に機能することを確認します。Ponsse社には、株式会社安川電機やABB社のロボットステーションがいくつかあり、すべてがオフラインでティーチングされています。
Visual Componentsの迅速な対応の例として、昨今の異例な状況下でリモートキャリブレーションを開発し、オフラインティーチングを実現したことがあります。どこにいても仮想的にロボットのキャリブレーションを行うことができるため、工場で担当者と立ち会って、アドバイスをもらう必要がなくなりました。
Ponsse社、Head of Robotics Team、Asko Haataja氏
Ponsse社とVisual Componentsの連携により、大幅な時間の節約、生産性と自動化の利用率の向上、ロボットステーション計画の合理化、そしてより迅速でスムーズなロボットティーチングが実現しました。この事例から、林業機械業界の世界的リーダーであるPonsse社が、Visual Components Robotics OLPを活用して競争力を維持し、業界をリードするためにイノベーションと生産性を追求していることが分かります。
Visual Componentsについて
Visual Componentsはシミュレーションの専門家チームによって設立され、20年以上の実績を持つ3D製造シミュレーション業界の先駆者の一つです。主要なブランドの信頼できる技術パートナーであり、機械メーカー、システムインテグレーター、製造業者に、シンプルで迅速、かつコスト効率の高いソリューションを提供しています。Visual Components社のソリューションを使用して、製造プロセスの設計とシミュレーション、ロボットオフラインティーチング(OLP)を行うことで、産業用ロボットの迅速で正確かつエラーのないティーチングを行うことができます。
当社のソリューションを活用するメリットについて詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
Further reading
![](https://www.visualcomponents.com/wordpress/wp-content/uploads/2024/09/AMI_Layout_Bucket_1-768x479.png)
溶接工不足への対応:AMI Attachments社がVisual Components OLPを活用して生産効率を向上させた方法
北米を代表する重機アタッチメント製造業者のAMI Attachments社は、生産効率を向上させ、市場の変化する需要に応えると同時に、溶接技術者の不足という課題に直面していました。Visual ComponentsのOLPソフトウェアを導入することで、ティーチング時間を70%削減し、生産効率と品質の向上を実現しました。